年代こそ昭和期の建築ですが、雰囲気は伸びやかな大正モダンのたたずまいです。一見3階建てのようにしか見えませんが、実は元々あった木造2階建の町家建築を昭和2年に外壁のみ改修した作品だとのこと。私もすっかり騙されました。学会も騙されてますね。
疑似3階部分の丸窓は中央と両端で僅かずつ大きさが異なり、2階部分から3本引かれている横のボーダーは淡い色合いの雰囲気から単調さを取り除く効果を持っています。1階部分の大理石調も派手さがなく、しかし街の中でしっかりとした主張を示しています。
何よりも嬉しいことは、古くから同一用途で使っていることではないでしょうか。“HIGH
CLASS CUSTOM TAILOR”の文字は、いかにも老舗の洋服屋を思わせる説得力があります。京都という町は、未だ“老舗”のこだわりという言葉が息づいている街だなと思います。(a.40.64.) |